【10月3日 AFP】武装した男たちによる2か月間の監禁と性的暴行の辛い体験をもつエバリナさん(17)は、内戦状態が続く南スーダンを逃れ、かつて楽しい子ども時代を過ごした生まれ故郷のスーダンの首都ハルツーム(Khartoum)へ移った。

 エバリナさんのように南スーダンを逃れ、保護を求めてハルツームにやって来た女性は19万人前後に上る。ハルツームにある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の支部では、性的暴力の犠牲者を対象にしたプログラムの一環で、カウンセリングが実施されている。エバリナさんは、このカウンセリングを受ける南スーダン女性の1人だ。

 UNHCRの活動資金は今、世界各地で起こっている他の難民危機に流れてしまい、南スーダン女性の援助に振り向けられる資金は不足しており、UNHCRが目指すほど支援が進んでいないのが現状だ。それでもエバリナさんにとって、このプログラムは人生の立て直しに必須のものだ。

 色鮮やかなガウンを着た細身のエバリナさんは、2014年7月に南スーダン・ユニティ(Unity)州で武装した男たちに誘拐された時のことを振り返る。エバリナさんは、母親が6人の弟たちをユニティ州の州都ベンティウ(Bentiu)にある国連キャンプに連れていっている間、自宅近くで待っていたところを拉致された。軍服を着た男たちが政府軍の兵士なのか反体制派なのか、エバリナさんには分からなかった。

 エバリナさんはUNHCRの事務所で静かにこう話した。「私は小さな軍事基地に連れて行かれた。大将だか准将がやって来るまで私はそこにいた。その後、私は彼に引き渡された」