【9月17日 AFP】ハンガリー警察は16日、隣国セルビアからの入国を必死に目指す多数の移民に対し、催涙ガスや放水銃を使用した。

 緊張状態が続いていたハンガリー・ロスケ(Roszke)とセルビア・ホルゴシュ(Horgos)をつなぐ国境検問所では、シリア人を中心とする数百人の怒った移民や難民がハンガリーへの入国経路2か所に設置されていた金網を突破。ハンガリー政府によると、石を投げるなどした移民らと警官隊が衝突し、警官14人が負傷した。

 ただ、現場のAFP特派員によると、移民らは混乱に乗じてハンガリー国内に潜り込もうとはしなかった。移民らはむしろ、同国政府が前日に国境を封鎖したことに対する不満を示したかったもようだ。

 セルビア政府は、同国領内でハンガリーが催涙ガスを使用したことについて公式に抗議。またネボイシャ・ステファノビッチ(Nebojsa Stefanovic)内相は、セルビア側の国境地帯に警察の増援部隊を派遣し、緊張の鎮静に努めると誓った。

 国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-Moon)事務総長は、ハンガリー当局の対応に「ショックを受けた」と表明した。(c)AFP/Calin NEACSU with Eric Randolph in Tovarnik