【9月13日 AFP】中央アジア・カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)大統領(75)は11日、娘のダリガ・ナザルバエワ(Dariga Nazarbayeva)氏(52)を副首相に任命した。ナザルバエフ大統領は今年4月の大統領選で再選を果たしたが、多くの人々が最後の任期だとみており、大統領の後継者問題にからんだ動きとみられる。

 ナザルバエワ氏は同日まで同国の下院議員で、副議長も勤めていた。大統領府のメディアサービス、アコルダ(Akorda)はツイッター(Twitter)に、「大統領の命により、ダリガ・ナザルバエワ氏は副首相に任命された」との声明を発表した。

 ナザルバエワ氏は、2004年から2007年に下院議員を勤めていたが、2007年に当時の夫、ラハト・アリエフ(Rakhat Aliyev)氏が、銀行員2人の誘拐事件でオーストリアで捜査対象になったことを受け、父親の後ろ盾を失ったと考えられていた。

 報道によると、ナザルバエワ氏は同年、国家保安委員会副議長でオーストリア大使だったアリエフ氏と離婚。同氏との間には3人の子どもがいる。

 スキャンダルのあと、カザフスタン政府がオーストリアに対して同氏の身柄引き渡しを要求する最中、ナザルバエワ氏は政治の舞台から退き、父親の慈善活動基金を率いていたが、2012年に与党ヌル・オタン(Nur Otan)党から出馬して下院議員に復帰した。

 元夫のアリエフ氏はその後、クーデター計画など別の重罪でもカザフスタンで起訴され、2007年に誘拐したとされる2人の銀行員殺害に関する公判が開かれるのを待ちながら、オーストリアの刑務所で今年2月、死去した。(c)AFP