【9月11日 AFP】欧州では、難民危機をめぐる各国間の溝が深まっている。欧州連合(EU)が提示した、域内全体で難民16万人を受け入れ各国で分担する計画について、ドイツは「大海の一滴」(副首相)に過ぎないと警告したが、東欧諸国は強く反対している。

 今年にすでに45万人の移民を受け入れているドイツは、EUの28加盟国に対し、受け入れ人数に制限を設けないよう求めたが、受け入れ人数の義務化は東欧加盟国からの強い抵抗にあっている。

 ルーマニアのクラウス・ヨハニス(Klaus Iohannis)大統領は10日、「加盟国への相談もなく、極端に官僚的な、ほぼ会計士の仕事とも言える基準で計算された義務的な受け入れ数について話すのは不適切だ」と語った。またスロバキアのロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相も9日、「ある朝起きたら、素性の全く知れない人々が5万人いるようなこと」は望まないと表明していた。

 一方、セルビアの国営テレビは10日、過去24時間にハンガリー国境に到着した移民の数が過去最多の5000人に達したと報道。ハンガリー警察によると、新移民対策法の施行や国境沿いのフェンスの完成、天候の悪化を前に越境を急ぎ同国入りした移民は3321人に上った。

 ハンガリー警察当局は、オーストリア行きの列車やバスに乗ろうとする移民の管理や登録に追われた。一方でオーストリアの列車運行会社は、「超過密」を理由に同国とハンガリーを結ぶ列車の運行を停止、バス会社やボランティアに対し、駅に移民を連れてこないよう求めた。(c)AFP