【7月29日 AFP】(一部更新)ジンバブエの国立公園で観光客の人気を集めていたライオンのセシル(Cecil)が殺されているのが見つかり、地元のサファリ団体は28日、セシルを殺したのは米国の狩猟愛好家で歯科医師のウォルター・パーマー(Walter Palmer)氏だったと発表した。パーマー氏は同日遺憾の意を表した一方、ガイドらに「合法的な狩猟」を依頼していたと釈明した。

 ワンゲ国立公園(Hwange National Park)を訪れる外国人観光客に人気だったセシルは公園外に餌でおびき寄せられ、今月1日に殺されていた。

 ジンバブエ・サファリ運営者協会(Safari Operators Association of Zimbabwe)の会長は首都ハラレ(Harare)で記者会見し、「襲ったのはウォルター・パーマーという米国人だ」と述べ、パーマー氏は今回の狩猟に5万ドル(約620万円)を支払っていたと明かした。

 野生保護団体「ジンバブエ・コンサベーション・タスクフォース(Zimbabwe Conservation Task Force)」によると、パーマー氏と地元のプロのハンターが夜間、自分たちの車に死んだ動物をくくりつけてセシルをおびき寄せたという。同団体は「パーマー氏はセシルを弓矢で撃ったがセシルは死ななかった。逃げたセシルを追いかけて40時間後に見つけ、今度は銃で撃った」としている。

 セシルには英オックスフォード大学(University of Oxford)の研究プログラムの一環で追跡用の首輪がつけられており、医師らがそれを隠そうとした形跡があるという。同団体は、「セシルは皮を剥がれ、頭部を斬り落とされていた。セシルの頭がどこにあるのかは分かっていない」と明かしている。

 ジンバブエの国立公園当局は28日、パーマー氏を案内した地元のプロのハンターと狩猟が行われた土地の所有者は密猟に関与した責任が問われており2人は29日に出廷すると明らかにし、取り調べるためハンターの息子の行方も追っていると発表したが、パーマー氏については何も言及しなかった。