【7月29日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は28日、訪問中のエチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)にあるアフリカ連合(African UnionAU)本部で米大統領として初めて演説し、権力にしがみつこうとする一部の指導者を糾弾するとともに、大陸をむしばむ「腐敗というがん」を根絶するよう呼び掛けた。

 一方でオバマ大統領は世界からアフリカへの支援のあり方について、単に援助をばらまくだけでなく公正な取引を活性化する形に改めていく必要性を訴えた。またテロを打破し紛争を終結させていく上で米国が協力していく姿勢を示した。

 オバマ氏が今回歴訪した父親の出身国ケニアとエチオピアの両国は、ソマリアで活動する国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム過激派組織アルシャバーブ(Shebab)との戦いで米国の主要な同盟国となっているが、民主主義や人権、汚職の面では懸念を持たれてきた。

「任期を終えた指導者が退任を拒否するとアフリカ民主主義の前進も危ぶまれる」とオバマ氏が指摘すると、会場となったAUのネルソン・マンデラ・ホール(Nelson Mandela Hall)の聴衆の一部からは大きな拍手と歓声が上がった。

 オバマ氏のアフリカ歴訪はこの演説で幕を閉じ、米大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)で帰国の途に就いた。(c)AFP/Andrew BEATTY/Karim LEBHOUR