【6月30日 AFP】アフリカ中部ブルンジで29日、議会選挙の投票が実施された。投票前から物議を醸していたこの選挙は、手投げ弾による攻撃や野党によるボイコット、国際社会からの非難に見舞われた。多くの投票所が静まり返っていたにもかかわらず、選挙管理委員会は「非常に高い」投票率が得られたと発表している。

 議会および地方選挙の投票開始前には、首都ブジュンブラ(Bujumbura)や地方の投票所に手投げ弾が投げ入れられる騒ぎもあった。

 同国ではピエール・ヌクルンジザ(Pierre Nkurunziza)大統領が3選を目指して大統領選への出馬を表明したことを受けて、過去数週間、同大統領に対する抗議のデモや警官隊とデモ隊の衝突などが後を絶たず、クーデター未遂も発生して70人以上が死亡した。

 ヌクルンジザ大統領の報道官も務める与党選挙対策委員長は、「人々は十分に、早い段階で反応を示してくれた」として、「大変満足している」と述べた。また選挙管理委員長も、「全土で非常に高い投票率だった」と語った。

 一方で欧州連合(EU)は今回の選挙について、「深刻な危機の悪化を招くだけだ」と警告。また旧宗主国ベルギーも、投票は信用できず、「(ブルンジの)さらなる分裂」につながりかねないと指摘している。

 具体的な投票率は公表されていないが、首都の複数の投票所では並ぶ有権者の列は短く、選挙管理職員の方が投票者より多い場所さえみられた。

 投票はグリニッジ標準時(GMT)29日午後2時(日本時間同日午後11時)に締め切られたが、開場が遅れた一部の投票所では投票が継続された。

 選挙管理委員会によると、開票結果は3~4日後に判明する見通しだという。(c)AFP/Esdras NDIKUMANA /Aymeric VINCENOT