【6月15日 AFP】キューバの兵器を積んでいることを申告せずにパナマ運河(Panama Canal)を通過しようとしたとして武器密輸罪に問われていた北朝鮮の船員2人に対し、パナマの第2巡回裁判所(Second Circuit Court)は以前の判決を取り消し、12年の禁錮刑を言い渡した。被告人側の弁護士が14日明らかにした。

 2013年7月、北朝鮮の貨物船「清川江(チョンチョンガン、Chong Chon Gang)号」がパナマ運河を通過する際に積み荷の検査を受けたところ、砂糖20万袋の下に旧ソ連時代のミグ21(MiG-21)戦闘機2機や地対空ミサイルシステム、発射装置などの兵器が隠されていたのが見つかった事件で、リ・ヨンイル(Ri Yong-Il)船長とホン・ホンヒョン(Hong Yong-Hyon)一等航海士が兵器密輸の罪に問われていた。

 乗組員35人全員が拘束されたが船長ら3人を除く32人は釈放され、その後2014年6月にこの件は国際問題であってパナマの司法管轄権は及ばず、乗組員らは北朝鮮政府から直接受けた指示を実行していたにすぎないとして船長ら3人を含む全員に無罪判決が出ていたため、今回の判決には驚きの声も上がった。

 貨物船は厳しい対北朝鮮制裁に違反して兵器を隠して北朝鮮に向かっていた。キューバ側は、これらの兵器は「旧式の」武器で、修理のため北朝鮮の平壌(Pyongyang)に運ぶ予定だったと主張したが、この事件を受けて国際社会ではキューバと北朝鮮との軍事協力について懸念の声が上がっていた。(c)AFP