【6月1日 AFP】第98回ジロ・デ・イタリア(2015 Giro d'Italia)は31日、最終第21ステージ(トリノからミラノ、185キロメートル)が行われ、ティンコフ・サクソ(Tinkoff-Saxo)のアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)が総合優勝を果たし、通算7度目のグランツール(三大ツール)制覇を遂げた。

 トラックレース界で名高いエティックス・クイックステップ(Etixx-Quick Step)のイリョー・カイセ(Iljo Keisse、ベルギー)が、オリカ・グリーンエッジ・サイクリングチーム(Orica GreenEDGE Cycling Team)のルーク・ダーブリッジ(Luke Durbridge、オーストラリア)とのスプリント勝負を制し、最終ステージを勝利で締めくくった。カイセは、「キャリアで最高の勝利だ!驚いているよ」と語っている。

 しかし、この日の視線はすべて、1998年のマルコ・パンターニ(Marco Pantani)氏以来となるジロとツール・ド・フランス(Tour de France)の同年制覇を目指すコンタドールに注がれていた。

 スカイ(Sky Pro Cycling)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)が大会を棄権するなど、さまざまなドラマがあった3週間の戦いで、コンタドールはアスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)とミケル・ランダ(Mikel Landa、スペイン)に余裕のタイム差をつけて優勝を飾った。

「多くが求められるジロになることは分かっていたが、ここまで複雑なものになるとはね」としたコンタドールは、第5ステージで総合首位のピンクジャージー(マリア・ローザ)に袖を通すと、その後のステージでは、クラッシュに巻き込まれて肩を脱臼する不運に見舞われた。

 コンタドールは、優勝した2010年のツール・ド・フランスで、自身の検体が筋肉増強剤クレンブテロール(clenbuterol)に陽性反応を示したため出場停止処分を科され、同タイトルに加え、翌年のジロ・デ・イタリア(2011 Giro d'Italia)の優勝を剥奪されている。

 しかし、この日の表彰台で3本指を立てたコンタドールは、「テレビの前の皆さん、選手、そしてファンは、これが僕にとっての3勝目だということを知っている」と語った。

 今大会でステージ優勝こそなかったコンタドールだが、ツールで2度、ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana)で3度の総合優勝を飾っているコンタドールは、アールに決定的なタイム差をつけて、公式には2008年以来2度目のマリア・ローザを獲得した。

 アスタナのリーダーであるアールは、カギとなった2つの山岳ステージを制し、1分53秒差の総合2位で大会を終えた。同じくステージ2勝を飾ったチームメートのランダは、3分5秒差の3位に入っている。(c)AFP/Justin DAVIS