【4月24日 AFP】アルメニア教会は23日、1世紀前にオスマン帝国軍によって殺害されたアルメニア人約150万人を列聖した。オスマン帝国の後継国家であるトルコは、アルメニア人殺害が「ジェノサイド(集団虐殺)」だったという認識を拒否しており、両国の間には緊張が高まっている。

 この列聖人数は、史上最多とみられている。列聖式は、アルメニアの首都エレバン(Yerevan)近郊にあるアルメニア教会の総本山、エチミアジン大聖堂(Echmiadzin Cathedral)の前で行われ、第1次世界大戦(World War I)中の殺害が始まった年の1915年にちなみ、19時15分(日本時間24日午前0時15分)まで2時間にわたって続けられた。

 式の中で全アルメニアの総主教ガレギン2世(Karekin II)は、「虐殺が続いた悲惨な年月の間に、数百万人のアルメニア人が計画的に家を追われたり、殺害されたりした。火であぶられ剣で刺され、拷問と悲しみの苦い実を味わわされた」「ジェノサイドの犠牲者を列聖することにより、国家と教会の生命に新たな息吹と神の恵み、祝福がもたらされる」と述べた。

 セルジ・サルキシャン(Serzh Sarkisian)大統領も出席したこの式の終わりには、アルメニア全土に鐘が鳴り響き、1分間の黙とうがささげられた。現地テレビによると、追悼の鐘は米ニューヨーク(New York)、スペイン・マドリード(Madrid)、伊ベネチア(Venice)、独ベルリン(Berlin)、そして仏パリ(Paris)のノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)でも鳴らされたという。

 殺害が始まった日からちょうど100年を迎える24日には、各国首脳らをはじめ数百万人が参列する追悼式典が営まれる予定。(c)AFP/Naira DAVLASHYAN in Echmiadzin with Irakli METREVELI in Yerevan