【4月11日 AFP】米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とキューバのラウル・カストロ(Raul Castro)国家評議会議長が11日にパナマで会談する見通しになった。米政府関係者が明らかにした。実現すれば、両国の指導者が1950年代以降初めて行う歴史的な会談となる。

 オバマ大統領とカストロ議長は10日、米州首脳会議出席のためパナマに滞在している。キューバが米州首脳会議に参加するのは今回が初めて。米国とキューバは昨年12月17日、1961年以来断絶されていた両国間の国交を正常化する方針を明らかにしていた。

 ベン・ローズ(Ben Rhodes)米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)は10日、記者団に対し「オバマ大統領とカストロ議長は明日の首脳会議で、会談の機会を持つと見込んでいる」と語った。ローズ副補佐官は、会談で話し合われる事柄の範囲はまだ決まっていないとしつつ、両国の国交正常化交渉や大使館の再開について現状を確認するとともに、両国間に根強く残る意見の食い違いなどが話し合われるだろうとの見方を示した。

 オバマ大統領とカストロ議長は2013年12月、南アフリカのネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の葬儀で握手を交わしているが、正式な会談を行うのは今回が初めて。

 実際にオバマ氏とカストロ氏が会談すれば、米国とキューバの本格的な首脳会談としては、1956年に当時のドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)大統領とキューバの独裁者だったフルヘンシオ・バティスタ(Fulgencio Batista)大統領が同じくパナマで会談して以来となる。バティスタ大統領政権は、3年後の1959年にフィデル・カストロ(Fidel Castro)前国家評議会議長に打倒された。

 ローズ副補佐官は、オバマ大統領とカストロ議長が8日に現時点における両国間の対話や米州首脳会議について電話で話し合ったことを明らかにした。両首脳は昨年12月に国交関係正常化に向けて動き出すと発表する直前にも電話会談を行っていた。(c)AFP/Laurent Thomet, Andrew Beatty