【2月3日 AFP】カナダのジョン・ベアード(John Baird)外相は2日、エジプトで拘束されていた中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)のジャーナリストのうち、カナダ・エジプトの二重国籍を持つモハメド・ファデル・ファフミ(Mohamed Fadel Fahmy)氏が近く釈放される見通しだと発表した。1日には、オーストラリア人記者のピーター・グレステ(Peter Greste)氏(49)が釈放されており、現在も拘束されている同テレビ局関係者はファフミ氏を含め残り2人となっている。

 ベアード外相は公営カナダ放送協会(CBC)に向けた声明で、ファフミ氏の釈放は「間もなく」だと述べた。これについては同外相の報道官も認めたが、詳しい情報の公表は差し控えた。

 カナダの外交官らはこれまでエジプトの関係者らと会談し、ファフミ氏の釈放を強く求めてきたとされる。ファフミ氏とグレステ氏は、エジプト人プロデューサーのバヘル・モハメド(Baher Mohamed)氏と共に、非合法化されたイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」を支援したとして身柄を拘束された。これを受け、エジプト当局には世界中から非難が集中していた。

 釈放されたグレスト氏は空路キプロス入りし、自国オーストラリアに戻る前に体を休めている。釈放翌日に行われたアルジャジーラのインタビューで同氏は、「これは大きな前進だ。エジプトが残る2人についてもこの方向性を維持してくれるよう願っている」と述べていた。一方で、自分だけ釈放されることを知った時には驚き、「兄弟」だと思っているファフミ氏とモハメド氏を残していくことに「胸の中で沸き返る強い葛藤」を覚えたとして、「後に残る同僚について非常に大きな不安を感じている」と複雑な心境を吐露していた。(c)AFP/David Vujanovic with Patrick Hamilton in Brisbane