【2月2日 AFP】南スーダンのサルバ・キール(Salva Kiir)大統領と反乱軍を率いるリヤク・マシャール(Riek Machar)前副大統領が1日、内戦を終結させるための新たな協定に署名した。調印はエチオピアの首都アディスアベバ(Addis Ababa)で行われた。1年1か月以上におよんだ内戦では数万人が死亡している。

 調停役を務めた東アフリカの平和と安全確保や地域統合を目指す地域機構、政府間開発機構(Inter-Governmental Authority on DevelopmentIGAD)のセイヨム・メスフィン(Seyoum Mesfin)氏は報道陣に対し、「南スーダンにおける敵対行為は今朝(2日)から完全に停止することになっている」と述べた。

 2013年12月に戦闘が始まって以来、キール大統領とマシャール氏の間では少なくとも6回、停戦合意が交わされているが、その度に合意は破られてきた。

 東アフリカの8か国が加盟するIGADはこれまで、停戦を破棄すれば制裁措置を取ると警告しながら実際に踏み切ることはなかった。だが、今回の合意が破られた場合は、国連安全保障理事会(UN Security Council)やアフリカ連合(AU)の平和安全保障委員会に「厳しい対処」を要請すると南スーダンに警告したことを、メスフィン氏が明らかにした。

 アディスアベバで行われた交渉は難航し、4日目に調印にこぎつけた。だが紛争解決の手段としてキール大統領とマシャール氏で権限を分担するというIGADの提案については、両者は合意に至らなかった。

 マシャール氏は調印後の記者会見で「これは部分的な合意だ。最も重要な問題のいくつかが解決できていない」と述べ、新政権を設立しその中での役割を分担するための「暫定政府の構造」などについて意見が一致していないと明かした。

 交渉は20日に再開する予定で、IGADは3月5日を最終合意の期限としている。

 2011年に独立し世界で最も若い国家となった南スーダンだが、13年12月にキール大統領は自身が解任したマシャール前副大統領がクーデターを企てたとして非難。これを機に激しい戦闘が発生した。(c)AFP