【1月5日 AFP】エボラ出血熱への対策として閉鎖措置が実施されているシエラレオネ北部トンコリリ(Tonkolili)地区で、閉鎖期間がさらに2週間延長されることが4日、明らかになった。同国保健当局は、感染拡大を封じ込めるための対策を強化しており、首都フリータウン(Freetown)の国際空港でも、空港作業員2人に感染の疑いが生じたことを受け「追加のスクリーニング検査」を課すことが決まった。シエラレオネ政府は先月、エボラの被害が甚大な同国北部全域に5日間の閉鎖命令を出している。

 地域調整官のサリュ・バー(Salieu Bah)氏が記者団に語ったところによると、トンコリリの地元当局による5週間の閉鎖期間中、同地区ではエボラウイルス感染患者が70人以上確認されたという。同氏は「地区内全セクターの監視を強化するため、閉鎖をさらに2週間延長する。この『掃討作戦』は17日まで行う」と述べた。また住民らがエボラ感染が疑われる患者について迅速に報告せず、隠れて埋葬を行っているなど、衛生上の規則になかなか従わないことも指摘した。

 一方、アブバカル・フォファナ(Abubakarr Fofanah)シエラレオネ保健相は、フリータウンの空港における従業員のスクリーニング検査について、「感染の疑いがある作業員や旅行者を見つけるため、24時間体制で行う」との見通しを明らかにした。

 同国国立エボラ対策センター(National Ebola Response CentreNERC)は、昨年12月中旬まで同空港で働いていた作業員からサンプルを採取し、このサンプルからエボラウイルスを検出した。12月以降、感染が確認されたこの作業員は出勤していないという。接触のあった別の作業員も、12月25日以降は出勤していない。

「これらの感染例を考慮し、強固なスクリーニング検査をさらに強化するための追加措置が導入された」とNERCは声明で述べ、追加措置として、同空港の正門とターミナル入口で作業員の体温を記録するなどとしている。

 国連(UN)によると、エボラウイルスによるシエラレオネでの被害は、リベリアを抜いて最大となっており、これまでに9446人が感染、うち2758人の死亡が確認されているという。(c)AFP