【12月23日 AFP】中国の富豪が率いる企業が南米ニカラグアで22日、パナマ運河(Panama Canal)に匹敵する運河建設に着手した。

 全長約280キロ、総工費500億ドル(約6兆円)規模のこの運河はニカラグアを横断し、太平洋(Pacific Ocean)とカリブ海(Caribbean Sea)を結ぶ計画。

 事業を請け負っている「香港ニカラグア運河開発投資(HK Nicaragua Canal Development InvestmentHKND)」は、中国通信大手、信威通信産業集団(Xinwei Telecom Enterprise Group)を含む20以上の企業を率いる中国人富豪、王靖(Wang Jing)氏が設立した。同氏は22日、ニカラグア南部のリバス(Rivas)で行われた着工式で建設工事の開始を宣言した。工事は、太平洋側のブリト川(Brito River)河口で業務用の連絡道路の建設からスタートする。

 一方、同運河の建設に関しては「夢物語」だとする懐疑的な声や、環境破壊を懸念し反対する声もある。王氏が出席した式典は、反対する運動家らが抗議のデモを呼び掛けていたため開始が数時間繰り上げられた。

 数百人規模のデモ隊は、地元リーダーが「軍事化している」と批判する治安部隊の対応にもかかわらず、リバス周辺地域と首都マナグア(Managua)を結ぶ幹線道路を封鎖した。

 またダニエル・オルテガ(Daniel Ortega)大統領が同日夜、別途式典を行う予定だったマナグアでも、環境保護活動家たちが新しい運河の実現可能性についての事前調査の結果を公開するよう要求した。(c)AFP/Julia RIOS