【12月8日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は7日、大規模な改革案の投票を控え、必要に迫られる前に五輪ムーブメントの信頼性を強化し、その商業主義を変えていく必要があると警告した。

 IOCは今年、100億ドル(約1兆2000万円)に及ぶ放映権とスポンサー契約を結んだが、バッハ会長は臨時総会の開幕にあたり、迫りくる問題に立ち向かわなければ、「即座に、困難に見舞われることになる」と述べた。

 IOCの臨時総会では、参加選手数を増やすことなく実施競技を追加や、大会費用に関する40項目の改革案について、8日と9日に投票が行われる。

 バッハ会長が五輪改革案として掲げる「アジェンダ2020」では、異なる開催都市だけでなく、異なる開催国が共同で競技を実施することを認める案が示されており、この措置によってコスト削減も見込まれるとしている。

■その他主な改革案

・夏季五輪の競技数を現行の28から増やし、大会ごとに新たに1競技を追加提案できるようにする。ただし、選手と個人種目の数には上限を加える

・開催候補地に対して、「独自のスポーツ、経済、社会、そして環境に必要な長期計画に適したプロジェクトを提案すること」を呼びかけ、「持続性に新たな重点を置く」

・五輪憲章に、「性的指向に基づく差別の禁止」を加える。これは、多くの保守的国家で最も議論の的となっている問題の一つである

 これらの改革案は通過する見込みで、バッハ会長は投票が終われば、韓国・平昌(Pyeongchang)で開催される2018年の冬季五輪と、東京が招致に成功した2020年の夏季五輪の大会組織委員会が、経費削減とより魅力的な大会に向けて最初に改革に着手することになると述べた。(c)AFP/Tim Witcher