【12月2日 AFP】イタリアの自転車選手マルコ・パンターニ(Marco Pantani)氏の死亡事件捜査に関わった警察官が、当時の捜査に不審な点があったという報道を受け、名誉を毀損(きそん)されたとして訴訟を起こす構えを見せている。1日、弁護団が発表した。

 1999年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia)でドーピング違反を犯したとして出場停止処分を受けたパンターニ氏は、それから勢いを失い、2004年2月14日に伊リミニ(Rimini)のホテルで死亡しているのが見つかった。パンターニ氏の死因は、コカインの過剰摂取とされている。

 しかし、34歳でこの世を去ったパンターニ氏の死について、最近になって再捜査が行われており、検察が先月発表した新たな証拠は、パンターニ氏が故意に殺された可能性を裏付けるものとなった。

 再捜査の結果、現場で手袋をはめていない捜査官が数人いたこと、遺体の近くにあったボトルの中身が分析されていなかったことが明らかになり、パンターニ氏が死亡したホテルの部屋で見つかった重要な証拠が、もみ消されたのではないかと報じられていた。

 弁護団の声明によれば、当時の捜査に関わった警察官5人が、訴えを起こす構えだという。

「これ以上、黙っていることはできない。何より、メディアによる私刑には耐えられない」