【10月31日 AFP】長期在任の大統領に対する大規模な抗議行動が発生し、議会議事堂が放火されるなど政情が不安定化したブルキナファソで30日、軍が政権掌握を宣言し、27年間にわたって権力を独占してきたブレーズ・コンパオレ(Blaise Compaore)大統領は退陣に追い込まれた。

 ブレーズ・コンパオレ氏が2015年11月の大統領選にも立候補することを可能にする憲法改正案に国民が強く反発、首都ワガドゥグ(Ouagadougou)で数万人規模のデモに発展し大統領の退陣を要求した。これを受けて政府は改憲案の採決を取りやめた。

 警察や軍が首都全体に配備されていたが、デモ隊数百人が議会議事堂や国営テレビ局などに押し入り、事務所内を荒らしたり車に火をつけたりした。

 軍は急きょ記者会見を行って政権掌握を宣言し、憲法秩序を12か月以内に取り戻すと約束した。さらに夜間外出禁止令を出すとともに、コンパオレ内閣の総辞職と議会の解散に踏み切り、代わりに国家運営に当たる暫定機関の発足を発表した。

 ナベレ・オノレ・トラオレ(Nabere Honore Traore)陸軍参謀長が署名し、将校の一人が読み上げたこの公式声明には、コンパオレ大統領の行方は言及されていなかった。

 これに先立ち、大統領のものとされる声明が発表されていた。声明は国家非常事態を宣言し、「この命令は本日発効し、これを実施させる責務は陸軍参謀長が負う」と書かれていたものの、日付は記載されておらず、大統領の通常の筆跡とは異なる署名がされていたという。

 コンパオレ大統領はクーデターで36歳だった1991年に政権を掌握した。クーデターでアフリカで最も愛された指導者の一人で友人だった当時のトマ・サンカラ(Thomas Sankara)大統領は退陣に追い込まれ、暗殺された。以後コンパオレ氏は4度大統領に再選され、7年の任期を2回、5年の任期を2回務めてきた。(c)AFP/Romaric Ollo HIEN