【10月12日 Relaxnews】ガラスやコンクリート、鉄鋼などを多用した超現代的な曲線デザインで知られる建築家ザハ・ハディド(Zaha Hadid)氏が、最新作では木材を使用する。

 建築界で最も権威あるプリツカー賞(Pritzker Architecture Prize)の受賞者であるハディド氏はこのたび、世界のジェノサイド(大虐殺)防止を目指して設立される、カンボジア・プノンペン(Phnom Penh)の資料センター「Sleuk Rith InstituteSRI)」のデザインを発表した。

 テーパーのかかった木造の建物は、同国のクメール・ルージュ(Khmer Rouge)時代に関する多目的教育施設として使用される。

 完成予想図からは、持続可能な素材の木材を使用し、絡み合いながら空に向かって立ち上がるデザインが印象的な5棟からなる構造物に、高く、広々とした構造の天然素材に焦点を当てた静観的なスペースが複数あるのが見て取れる。

 建物に向かう舗装路は雨水が集められたプールの上を通る。プールは鏡のように建物の形を映し出し、反射する光は、建物内部の採光にもなる。

 人権活動家のヨク・チャン(Youk Chhang)氏の発案で、建物には歴史博物館や国立研究・政策開発センター、大量虐殺や人権の研究を行う教育機関を収容する。着工は2015年。(c)Relaxnews/AFPBB News