【10月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)の重鎮たちは、トロ・ロッソ(Toro Rosso)の17歳、マックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が、由緒正しい鈴鹿サーキット(Suzuka circuit)で時速300キロメートルの野獣をどう手なずけるかを、気をもみながら見つめることになるだろう。

 元F1ドライバー、ヨス・フェルスタッペン(Jos Verstappen)の息子であるフェルスタッペンは、母国オランダの公道を運転できる年齢にも達していない。幹部のなかには、彼が17歳の若さでリスクを負うことを心配する声もあれば、この早熟の才能が、本当に大スターとして開花するかを気にする向きもある。

 その影響は、フェルスタッペンがマシンに乗り込み、鈴鹿サーキットへ走り出した瞬間からすぐに表れるだろう。フェルスタッペンは日本GP(Japan Grand Prix 2014)で、歴史的なフリー走行に臨む予定となっている。

 フェルスタッペンはまだ16歳だった先月、レーシングドライバーのスーパーライセンスを取得した。30日に17歳となった彼は、予定通りであれば3日に史上最年少でのF1デビューを飾る。

 父親のヨスは、ベネトン・フォーミュラ(Benetton Formula)、シムテック(Simtek) 、アロウズ(Arrows)、ティレル(Tyrrell Racing Organization Ltd)、スチュワート(Stewart Grand Prix)、ミナルディ(Minardi)を渡り歩きながら、1994年から2003年にかけて、F1でグランプリ107戦に出場した。

 キャリアのハイライトは、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏とチームメートだったベネトン時代、ハンガリーGPとベルギーGPで達成した表彰台フィニッシュ。しかし一番有名なのは、1994年のドイツGPで、マシンの爆発炎上を生き延びたことだろう。

 フェルスタッペンには、父親をはるかに上回る活躍が期待されている。すでにF3で実績を残しているフェルスタッペンは、3日午前のフリー走行ではジャン・ エリック・ベルニュ(Jean-Eric Vergne)に代わってマシンに搭乗し、来シーズンからは正式にシートを与えられることが決まっている。

 フェルスタッペンは「初めてグランプリのフリー走行に参加するのが楽しみだよ。来年に向けた良い準備になるはずだ。たとえ、思っていたようにはいかなかったとしてもね」と語り、驚くほど大人びているところを見せた。

「シミュレーターでこのサーキットを走ってみた。多少参考にはなるけど、実際に走る代わりになるわけじゃない」

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