【8月21日 AFP】エボラ出血熱の拡大を防ぐため隔離地区に指定されたリベリアの首都モンロビア(Monrovia)のスラム街で20日、兵士と住民が衝突し、住民4人が負傷した。

 衝突があったのは、16日にも棍棒を持った若者たちが隔離施設を襲撃する事件が起きたウェスト・ポイント(West Point)地区。同地区から国家公務員1人とその家族を避難させようとしていた兵士たちが群衆に向け発砲し、催涙ガスを使用した。

 これに先立ちエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)大統領は19日、思い切ったエボラ対策の一環として、ウェスト・ポイントと首都東郊のドロ・タウン(Dolo Town)を隔離地区に指定し、夜間外出禁止令を発令していた。

 この措置に激怒したウェスト・ポイントの住民たちは、治安部隊に向け投石し、罵声を浴びせた。住民の男性はAFPの電話取材に「非人道的だ」「警告もなく突然私たちを閉じ込めるなんてひどい。子どもたちにどうやって食べさせていくのか」などと訴えた。

 リベリアを含む西アフリカ4か国ではエボラ出血熱が拡大を続けており、最新の公式統計での死者はここ2日間で106人増え、1350人に達した。中でもリベリアは最大の被害が出ており、死者は576人、疑い例を含む感染者は972人となっている。(c)AFP