【8月18日 AFP】西アフリカ・リベリアの首都モンロビア(Monrovia)にあるエボラ出血熱患者の隔離施設が16日夜、こん棒で武装した若者集団の襲撃を受け、患者17人が脱走、現在も行方不明となっている。

 目撃者によると、襲撃犯らはエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)大統領を侮辱する言葉を口にしたり、「エボラなど存在しない」と叫んだりしていたという。エボラ熱の流行地域の住民らの間ではパニックと不信感が広まっており、エボラウイルスは「西洋によって作り出されたもの」または「でっちあげ」だとの噂も広く出回っている。

 匿名で取材に応じた保健省職員によると、若者らは高校の校舎を利用して設置された隔離施設から医薬品やマットレスなどの寝具を略奪した。

 リベリア保健従事者協会(Health Workers Association of Liberia)のジョージ・ウィリアムズ(George Williams)会長によると、同施設ではエボラ熱患者29人を収容し、病院に運ぶ前の予備処置を行っていた。

「患者29人のうち、17人が昨晩(襲撃後に)逃亡した。4日前に9人が亡くなり、昨日は3人が家族によって無理やり連れ出された」

 エボラ熱流行の中心地とされるモンロビアでは、保健当局による隔離施設の設置に地元住民らが反発していた。匿名を条件に取材に応じたある若い住民は「彼らにキャンプを(設置)しないよう伝えたが、聞き入れられなかった」「私たちはこのエボラ騒動を信用していない」と語った。(c)AFP