【7月24日 AFP】エボラ(Ebola)出血熱の感染が拡大する西アフリカのシエラレオネで、この病気の専門治療センターを率いる医師がエボラウイルスに感染し、入院した。シエラレオネの保健省が23日、発表した。

 ウイルスに感染したのはシエラレオネの首都フリータウン(Freetown)の約320キロ東のケネマ(Kenema)にあるエボラ治療センターを率いる、オマル・カーン(Omar Khan)医師。数日前には同じ施設の看護師3人がエボラ出血熱で死亡したばかりだった。西アフリカではエボラ出血熱の感染が拡大しており、これまでに数百人が死亡している。

 ミアタ・カーボ(Miatta Kargbo)保健相は、カーン医師の「とてつもない自己犠牲」をたたえ、「国民的英雄」と呼んだ。

 保健省によると、カーン医師は国際医療支援団体「国境なき医師団(Doctors Without BordersMSF)」の運営する治療施設に入院したという。アブバカル・フォファナ(Abubakarr Fofanah)副保健相はAFPの電話取材に「(カーン医師は)治療効果を示しており、とても陽気で元気だ」と語った。

■看護師3人がエボラ出血熱で死亡

 シエラレオネ保健省は21日、カーン医師が率いる施設の看護師3人がエボラ出血熱により死亡したと発表していた。同省は3人について「15年以上にわたって感染症に取り組み、100人以上の命を救ったベテラン」だったと発表していた。

 保健省のヤヒヤ・チュニス(Yahya Tunis)報道官は23日、記者会見で「保健省職員にとって厳しい数日間だった。(死亡した看護師らは)希望と感化の源だった」と述べた。

 ケネマの国営病院に設置されたエボラ治療センターの看護師らは、治療センターの移設と国境なき医師団による運用を求めている。(c)AFP