【6月26日 AFP】ニジェールで、新生児の人身売買組織が摘発され、国民議会議長や現役閣僚の妻が逮捕された。同国警察筋が25日、明らかにした。

 この情報筋がAFPに語ったところによると、ニジェールとナイジェリア、ベナンの警察が共同で実施した国際捜査で23日、20人以上の容疑者が逮捕された。容疑者は「大半が女性」で、元首相のハマ・アマドゥ(Hama Amadou)国民議会議長の妻やアブドゥ・ラボ(Abdou Labo)農相の妻が含まれているという。

 アマドゥ議長は、2016年に予定されている次期大統領選で現職のマハマドゥ・イスフ(Mahamadou Issoufou)大統領の最有力対立候補と目されている。

 司法筋によると、容疑者のうち18人が出生届ねつ造などの罪で既に起訴された。逮捕者の中には、医療関係者や出生届を受け付ける登記所の職員らも含まれている。

 この組織が売買していた新生児たちは、ナイジェリアからベナン経由でニジェールに連れて来られたとみられている。捜査に近い筋がAFPに明かしたところによれば、この新生児売買組織は主に子どもができない夫婦に利用されていたという。

 ナイジェリアでは、望まない妊娠をした若い女性から新生児を買って子どものない夫婦に売り渡す民間の診療所が相次いで摘発され、問題となっている。「赤ちゃん製造工場」と報じられるこうした診療所では、母親から150ユーロ(2万円)ほどで買い上げた新生児を数千ユーロ(数十万円)で転売しており、男児は女児よりも高値で販売されている。(c)AFP