【6月11日 AFP】アルジェリア保健省は10日、中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)による同国初の死者が確認されたと発表した。

 死亡したのは59歳の男性で、先月アルジェリアで初めて報告されたMERSの原因となるウイルスに感染した2人のうちの1人。この男性は、亡くなるまでの11日間、同国の首都アルジェ(Algiers)から西に約600キロ離れたトレムセン(Tlemcen)の病院に入院していた。9日夜から10日朝にかけて容体が悪化して死去した。

 保健省によると、もう1人の感染者である66歳の男性はアルジェに近いコレア(Kolea)に入院中で、容体は改善している。

 MERSコロナウイルスへの感染とそれによる死亡の報告例は大半がサウジアラビアに集中しており、2人は同国への巡礼から戻ったばかりだった。感染拡大にもかかわらず、同国の聖地メッカ(Mecca)には、世界各地のイスラム教徒が巡礼に訪れている。

 これまでの研究の結果、MERSウイルスは少なくとも20年前からラクダの間で感染が広がっていたとみられる。先週には、MERSがラクダからヒトに直接感染した証拠を初めて確認したという研究報告が発表されている。(c)AFP