【6月11日 AFP】1982年に開催されたサッカーW杯スペイン大会の1次リーグは、イタリアにとって不利な組み合わせであったものの、苦しい状況を切り抜けて優勝を飾った。

 パオロ・ロッシ(Paolo Rossi)の活躍で見違えるようによみがえったイタリアは、ブラジルを3-2で破って準決勝に進出すると、ポーランドに2-0で勝利して決勝へ駒を進めた。

 強豪の西ドイツは、スペインとイングランドを退けベスト4進出を果たしたが、フランスとの対戦は後味の悪いものになった。

 西ドイツのGKハラルト・シューマッハ(Harald Schumacher)がフランスのパトリック・バチストン(Patrick Battiston)と激しく交錯し、会場に不穏な空気が漂うと、試合は3-3の同点で延長戦まで終えた。

 驚くべきことに、おとがめなしでピッチに立ち続けたシューマッハーは好守をみせ、PK戦を5-4で制した西ドイツの勝利に貢献した。

 しかし、決勝でロッシがみせた得点に対する嗅覚は、西ドイツの手に負えるものではなかった。

 ロッシのゴールで後半に先制したイタリアは、西ドイツに3-1で快勝し、ブラジルの記録に並ぶ通算3度目のW杯優勝を果たした。

 当時40歳だったイタリアのGKディノ・ゾフ(Dino Zoff)は、優勝チームに所属する最高齢の選手になったと同時に、最年長の主将になった。(c)AFP