【4月28日 AFP】宗教間対立による武力抗争が続く中央アフリカの北西部で26日、慈善病院が武装グループに襲撃され、国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)の職員3人を含む少なくとも22人が死亡した。

 襲撃したのは、抗争の悪循環のきっかけとなった昨年3月のクーデターを起こしたイスラム教系の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」とみられている。

 アフリカ連合(AU)主導の平和維持部隊「中央アフリカ支援国際ミッション(MISCA)」の高官はAFPの取材に対し「セレカの元戦闘員とフラ(Fula)人の武装した男たちが26日、ナンガ・ボギラ(Nanga Boguila)地区にあるMSFが支援する病院を襲撃し、中央アフリカ人のMSF職員3人を含む少なくとも22人を殺害した。10人が負傷している」と語った。MSF側も職員が死亡したことを認めている。

 同高官によると襲撃された際、病院ではMSF職員と地元議員が会議を開いていたという。一団は最初にこの会議をしていたグループに発砲し、4人を射殺、さらに病院内に進入し居合わせた15人とMSF職員3人が殺された。この他、一団は現金を探していた様子でドアを破壊し、コンピューターなどの機器を持ち去った。

 クーデターによって暫定大統領の座に就いたセレカの指導者ミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)氏は数か月前、戦闘員たちに武装解除を命じたが、一部はこの命令を無視し、殺りくや強姦、略奪といった行為を繰り広げている。これに対し、多数派のキリスト教徒たちは民兵組織「反バラカ(Anti-balaka)」を結成し、衝突が繰り返されている。

 ジョトディア氏は宗教間衝突の阻止に失敗したとして中部アフリカ諸国などからの圧力を受け、1月に辞任した。(c)AFP