【4月1日 AFP】ヨランデ・ブラボさん(19)は3か月余り前、中央アフリカで続く血なまぐさい宗教紛争で兄弟が殺害されるとすぐに自警団に加入した。

 彼女を含め8人の女性が頭をそり、武器を持ち、男性3人とともに首都バンギ(Bangui)に近いウバンギ川(Oubangui River)に浮かぶモンキー島(Monkey Island)を守っている。

 地元農民から「アマゾネス(Amazons)」と呼ばれる彼女たちは、土でつくった監視塔から交代で見張りを続けている。モンキー島の人口は1000人ほどだったが、紛争が始まって以来、避難民の流入でその数は膨れ上がっている。

 兄弟が殺され、「私は加入せずにはいられなかった」と、カーキ色の戦闘ズボンにメッシュのトップからターコイズ色のブラが見えるブラボさんは言う。「私たちはみんなセレカ(Seleka)の被害者だ」。12歳のおいは、セレカにライフルの台尻で打ちのめされたという。

 イスラム教系の武装勢力連合セレカは2013年3月にクーデターを起こし、セレカの指導者ミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)氏が暫定政府の大統領に擁立された。中央アフリカの少数派であるイスラム教徒が同国の大統領になったのはこれが初めてだった。

 その後ジョトディア氏はセレカの解散宣言を出したものの、セレカの戦闘員たちは今もなお民間人に対する暴虐行為を続けている。

 これに対し、各地で自警団が結成され、イスラム教徒に報復攻撃を加えている。セレカも自警団も「バラカ」というなたを振りかざしているが、主にキリスト教系の自警団は「反バラカ(anti-balaka)」と呼ばれている。