【12月13日 AFP】マダガスカルでペストが発生し、これまでに39人が死亡した。同国政府が12日、発表した。

 ペストの中で最も多いのは腺ペストだが、政府の医療関係者によると今回の症例の90%がより悪性度が高い肺ペストだという。肺ペストを発症すると、抗生物質の効果が出る間もなく3日以内に死亡することがある。

 同国の公衆衛生省は声明で、「マダガスカルでは現在、(112地域のうち)5地域でペストが発生している。これまでに86人が感染し、うち39人が死亡した」と明らかにした。当局は、ペスト治療薬は無料で入手できるとして、熱や頭痛がある人は医師の診察を受けるよう呼びかけている。 

 最初の死亡者は11月に入る前に出ていたが、政府は11月23日に初めてペスト発生を公式に発表した。ペストの発生については、野放図な森林破壊によってネズミが住宅地に侵入するようになったせいだとの声も上がっている。

 ペストは、過去1000年にわたって何億人もの命を奪ってきた古い疫病で、有効な抗生物質があるにもかかわらず現在も各地で発生している。

 肺ペストは、感染者のせきで飛び散った飛沫を吸い込むことで発病する。世界保健機関(World Health OrganizationWHO)によると、肺ペストは「最も致死率が高い感染症の1つ」で、死亡率は「常に非常に高い」という。(c)AFP