【12月8日 AFP】混乱が続く中央アフリカに展開したフランス軍は7日、地元住民の大歓迎を受けた。アフリカ連合(AU)は、多数の死者を出している宗教間の衝突の根絶を目指して兵力をほぼ倍増させると発表した。

 中央アフリカ西部の都市ブワル(Bouar)の住民たちは、ダンスを踊り、警笛を鳴らし、鍋をたたいて同地に入った約200人のフランス軍部隊を歓迎した。

 今年3月に政府を転覆させた反政府勢力の攻勢はイスラム教徒とキリスト教徒の間で流血を伴う衝突を招いた。数か月にわたる暴力にうんざりした住民らは仏軍部隊に「ありがとう!」「私たちを助けて!」などと声をかけた。

 数か月にわたって地方の町を恐怖に陥れてきた暴力は、5日に首都バンギ(Bangui)で一気に拡大し、赤十字(Red Cross)によると、攻撃が相次ぐ中で少なくとも300人が死亡した。

■仏は1600人、AUは6000人に増派

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領は「非常に恐ろしい」事態になっていると述べ、7日夜までに当初の想定よりも400人多い兵士を派遣し、国連(UN)に権限を委任する兵員を1600人に増やすと発表した。同大統領は、兵士の数はこれ以上増えることはなく、そのほとんどは6か月を超えて駐屯することはないだろうとの見通しを示した。

 また、フランス大統領府の発表によると、アフリカ連合は、中央アフリカ支援国際ミッション(MISCA)の兵員を予定していた3600人から6000人に引き上げる予定だという。

 オランド大統領は、「女性をレイプしたり、病院の患者を殺害したりするなど、まるでギャングのような行動をしている民兵組織の武装解除」が仏軍とアフリカ部隊の任務になるだろうとした上で「現在行われている残虐行為や大量虐殺をすぐにやめさせることができると私は信じている」と述べるとともに、「再び国を安定させ、適切な時期に自由で民主的な選挙を実施すること」を長期的な目標として示した。(c)AFP/Michel CARIOU, Patrick FORT