【12月6日 AFP】内紛が続く中央アフリカの首都バンギ(Bangui)で5日、宗教対立に起因するとみられる戦闘で120人以上が死亡した。国連安全保障理事会(UN Security Council)は同国への軍事介入を認める決議を採択し、その直後、旧宗主国フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は仏軍兵士600人の追加派遣を命じた。

 最近になって仏米をはじめとする国々が、中央アフリカでキリスト教徒とイスラム教徒の間の緊張が急激に高まり、国家崩壊の危機にあると警告していた。大規模な暴力行為が発生したことで、その懸念が現実のものになりつつあることが証明された格好となった。

 バンギで取材しているAFP記者らが、首都内のあるモスク(イスラム礼拝所)に集められた遺体を数えたところ、その数は54人に上った。また周辺の路上にも25人の遺体が並べられているのが見つかり、そのうちの多くが殴られたり斬りつけられたりして死亡していたという。

 この事件を受けて、仏軍はすでに同国入りしていた部隊のうち250人を首都中心部に配置。またミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)暫定政府大統領は夜間外出禁止令を出した。

 フランスが先に提案し、同日全会一致で採択されたこの国連安保理決議により、中央アフリカでの暴力行為の沈静化を目指して最大でアフリカ兵3600人、フランス兵1200人までの派遣が認められた。

 中央アフリカでは、イスラム教徒が多くを占める反政府勢力セレカ(Seleka)が3月にフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領を国外追放してから治安悪化が目立ち始めた。以来イスラム教系とキリスト教系のグループ間の抗争が後を絶たず、その影響で国民数万人が恐怖の中での生活を強いられている。(c)AFP/Michel CARIOU