【9月6日 AFP】第68回ブエルタ・ア・エスパーニャ(68th Vuelta a Espana)は5日、第12ステージ(マエリャからタラゴナ、164.2キロメートル)が行われ、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のフィリップ・ジルベール(Philippe Gilbert、ベルギー)が優勝を飾った。

 ジルベールはスカイ(Sky Pro Cycling)のエドヴァルド・ボアッソン(Edvald Boasson Hagen)を差し切り、ステージを制した。

 リゴベルト・ウラン(Rigoberto Uran)のアシストを受け、フィニッシュラインを視界に収める地点まで力を蓄えたボアッソンが優勝するかにみえたが、勝利を収めたのは最後に猛追を見せたジルベールだった。

 ランプレ・メリダ(Lampre-Merida)のマキシミリアーノ・リチェーゼ(Maximiliano Richeze、アルゼンチン)が3位に入り、今大会3度目の表彰台フィニッシュを果たしている。

 アスタナ(Astana Pro Team)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)は、総合首位の座を守ったものの、同2位につけるチーム・サクソ・ティンコフ(Team Saxo-Tinkoff)のニコラス・ロッシュ(Nicolas Roche、アイルランド)との差は2秒縮まった。

 ロッシュはポートアベンチュラ(Port Aventura)のスプリント地点で2秒のボーナスタイムを獲得し、ニバリとの差を31秒とした。

 一方、モビスター・チーム(Movistar Team)のアレハンドロ・バルベルデ(Alejandro Valverde)、レディオシャック・レオパード(RadioShack Leopard)のクリス・ホーナー(Chris Horner、米国)とニバリとの差は、46秒のまま変わっていない。

 前年のUCIロード世界選手権大会(2012 UCI Road World Championships)、エリート男子ロードレース以来となる優勝を手にしたジルベールは、ここまでの苦しいシーズンで支えとなったチームメートと家族に感謝の意を示していた。

 翌週からの怒涛の山岳ステージを控え、今大会最後のスプリンター向けのレースとなったこのステージで、まず飛び出したのはカハルーラル(Caja Rural)のファブリシオ・フェラーリ(Fabricio Ferrari)、コフィディス・ル・クレディ・アン・リーニュ(Cofidis, Le Credit En Ligne)のロマン・ジングル(Romain Zingle)、エフデジ・ポワン・エフエール(FDJ.fr)のセドリック・ピノー(Cedric Pineau)だった。

 3人の逃げ集団はその後、残り約18キロメートルで集団につかまり、ロッシュがキャノンデール・プロ(Cannondale Pro)のイヴァン・バッソ(Ivan Basso)に次ぐ2位でポートアベンチュラのスプリント地点を抜けた。

 ニバリとの差をわずかに縮めたロッシュだが、第96回ジロ・デ・イタリア(2013 Giro d'Italia)覇者のニバリが優勝候補の筆頭であることに変わりはなく、15日にマドリード(Madrid)で総合優勝を飾る可能性が高いのは彼だとコメントしている。

「ニバリが絶対の優勝候補だ。飛び抜けて状態が良いし、まだフレッシュで、この先の山岳ステージでは残りの面々を苦しめるだろう」

 その後は集団がばらけることなく、残り1キロメートルを切ったところで集団スプリントに突入し、残り500メートルでウランが道をあけ、ボアッソンが飛び出すと、そのまま望み通りの結果を入れたかのように見えた。

 しかしながら、絶妙のタイミングでスパートを仕掛けたジルベールは、ゴール直前で悠々とボアッソンを抜き去り、ブエルタ・ア・エスパーニャでの自身通算5勝目を挙げた。(c)AFP