【8月21日 AFP】絶滅の危機にあるオニアカアシトキ(学名:Thaumatibis gigantea)の巣が、カンボジア北東部のこれまで生息が確認されていなかった場所で見つかり、野生生物保護活動家らは種の生き残りに期待を膨らませている。

 羽毛のない頭部と長いくちばしが特徴のオニアカアシトキは、生息地の減少と密猟により絶滅の危機に追いやられている。野性のオニアカアシトキの生息数は約345匹にとどまり、その9割がカンボジアで確認されている。

 世界自然保護基金(World Wildlife Fund for NatureWWF)の声明によると、カンボジア・ストゥントレン(Stung Treng)州のメコン川流域の生物多様性に富む森林地帯で7月、地元の農民がオニアカアシトキの巣を発見した。その後、WWFの調査チームが現地調査を行い、巣の中で卵2つを温めるオニアカアシトキの成鳥を確認している。

 WWFとともに地域の鳥の巣保護プロジェクトを運営している現地森林当局のある当局者は、「メコン川流域でのオニアカアシトキの巣の発見は、種の生き残りに希望をもたらすため、非常に大きな意味を持つ」と話す。

 オニアカアシトキは1994年、国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)のレッドリストに「近絶滅種(CR)」として登録された。生息地はカンボジア、ラオス、ベトナムに限られている。(c)AFP