【6月22日 AFP】 国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は21日、カンボジア首都プノンペン(Phnom Penh)で開催中の年次総会で、イタリアのエトナ山(Mount Etna)、インドのラジャスタンの丘陵砦群(Hill Forts of Rajasthan)、ナミビアのナミブ砂海(Namib Sand Sea)などを世界遺産として登録した。

 さらに、タジキスタンのパミール高原(Mountains of the Pamirs)と中国の新疆天山(Tianshan)も世界遺産に新規登録され、自然保護活動家たちからはこれを歓迎する声が上がっている。

 国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)のティム・バッドマン(Tim Badman)氏は 、「ナミビアやメキシコの広大な砂漠地帯から、中国やタジキスタンの山岳地帯、イタリアの火山に及ぶこの新たな世界遺産の数々は、自然の美に対する賛美と、われわれが幾世代にもわたり、それを保護するという共同の意思表示だ」と述べた。

 標高3300メートルのエトナ山は欧州大陸で最も標高が高い活火山で、約2700年前から文献に記録され続けており、ユネスコは「世界で最も古くから火山活動の記録が残る山の1つ」としている。

 他に世界遺産の地位を獲得したのは、メキシコの「エル・ピナカテとアルタル大砂漠生物圏保護区(El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve)」で、その「火山と砂丘を主な特徴とする、砂漠地形のドラマチックな組み合わせ」が評価された。

 またユネスコは、ポーランドとウクライナのカルパティア山脈(Carpathian Mountains)にある16の木造聖堂群も「今日まで生きながらえた、スラブ圏でかつて広まった東方正教会の伝統的木造建築の傑出した例」として世界遺産リストに登録した。

 ユネスコは現在、プノンペンで10日間にわたる年次総会を開いており、日本の富士山(Mount Fuji)を含む31候補の世界遺産登録を審査している。(c)AFP/Suy Se