【5月13日 AFP】2月に内閣が総辞職した欧州連合(EU)最貧国のブルガリアで12日、議会(定数240)の選挙が行われた。ボイコ・ボリソフ(Boyko Borisov)前首相が率いる中道右派「欧州発展のためのブルガリア市民(GERB)」が第1党となるものの過半数には達しない見通しで、政治的行き詰まりと抗議行動が続くとみられる。

 過去数年の間で最大規模となった反政府デモによる内閣総辞職から3か月。出口調査によるとGERBは30.3~33%の票を獲得するとみられ、以下、社会党(BSP)が25.3~27.1%、少数民族のトルコ系政党「権利と自由運動(MRF)」が6.5~11.5%、極右政党「アタッカ(Ataka)」が7.3~8.5%を獲得する見通し。これに続き第5党となる党が得票率4.0%を超えて議席を獲得できるかどうかは不明だ。

 接戦になったため、GERBとアタッカの議席を合わせて過半数を超えるのか世論調査会社も予測できていない。アタッカは総辞職前のGERB単独内閣に協力していたが、選挙が近づくと対決姿勢に転じた。かつての連立パートナー同士である社会党とMRFも、獲得議席の合計は過半数をわずかに下回るとみられる。

 有権者数は約690万人で投票率は約50%だった。専門家の間では、選挙で明白な勝負がつかなければ貧困と汚職に対する抗議が繰り返され、ボリソフ氏はいずれ手詰まりになるという見方が出ている。

 EU加盟から6年、生活水準が低下して貧困が増える中、ブルガリアのほぼ4人に1人は公式な貧困ライン以下で暮らしている。(c)AFP/Diana SIMEONOVA