【5月8日 AFP】カンボジアで、1985年以降権力のトップにいるフン・セン(Hun Sen)首相が6日、野党にかすかな希望をもたらした――なんと74歳で引退する考えを明らかにしたのだ。しかし、首相はまだ60歳だ。

 フン・セン首相は国営ラジオで放送された演説の中で、権力の座にしがみついているとの批判に反論し、74歳で首相を退任することを表明した。

「私は32歳で首相になった。私は若くしてこのポストに就き、そして今もまだ年老いていない。長い年月ではあるが、長いということに問題は全くない。74歳になったら権力の座を降りる」(フン・セン首相)

 これまでフン・セン首相は、90歳まで国を率いると発言していた。

 カンボジアでは1993年以降、5年に1度総選挙が行われてきたが、フン・セン首相が権力の座から下ろされることはなかった。フン・セン政権が政治的自由を抑圧し、人権活動家を不当に扱っているとの批判は絶えない。

 次の総選挙は今年7月。だが、主要野党の指導者、サム・レンシー(Sam Rainsy)氏は、多数の有罪判決を受けて2009年以降フランスに亡命しているため、立候補を禁じられている。(c)AFP