【4月6日 AFP】イランの核開発計画をめぐり、国連安全保障理事会の5常任理事国(米英仏露中)にドイツを加えた6か国(P5+1)とイランの協議が5日、カザフスタンのアルマトイ(Almaty)で始まった。欧米側の妥協案に対し、イラン側が明確な回答を避けているため、こう着している両者の協議は突破口を見いだせないまま翌日へ持ち越された。

 欧米側は2月に今回と同じアルマトイで行われた協議でイランに対し、国連制裁の緩和という譲歩と引き換えに、濃縮ウラン製造の抑制を含む要求を提示しており、交渉の行方はイラン側がこれを受け入れるかどうかにかかっている。

 しかし、イラン側は今回協議の冒頭、交渉責任者のサイード・ジャリリ(Saeed Jalili)最高安全保障委員会事務局長が、3点を骨子とする独自の対案を示したという。3時間近くにわたる第1回全体協議後、イラン側の次席代表アリ・バゲリ(Ali Bagheri)氏が報道陣に「イランと大国間の協力の新たなラウンドを開始するために、今朝の協議でジャリリ博士が具体的な計画と提案を示した」と説明した。

 しかし6か国側の高官らは、イランの提案は昨年モスクワ(Moscow)で開かれた協議ですでに退けられたイラン側の旧提案の焼き直しに過ぎないとしている。またその一方で「P5+1」側の2月の新提案に対しては、イランからいまだ明確な回答が得られていないと関係筋は語っている。(c)AFP/Dmitry ZAKS, Farhad POULADI