【3月14日 AFP】カンボジアの旧ポル・ポト(Pol Pot)政権ナンバー3で、政権下での大量虐殺を裁くカンボジア特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of CambodiaECCC)に戦争犯罪などで起訴されていたイエン・サリ(Ieng Sary)元副首相兼外相(87)が14日、今月4日から入院していたプノンペン(Phnom Penh)市内の病院で死去した。特別法廷のラルス・オルセン(Lars Olsen)報道官が明らかにした。

 カンボジア特別法廷にはイエン・サリ被告のほか、妻のイエン・チリト(Ieng Thirith)元社会問題相(80)、政権ナンバー2だったヌオン・チア(Nuon Chea)元人民代表会議議長(86)、キュー・サムファン(Khieu Samphan)元幹部会議長(81)の計4人が戦争犯罪、ジェノサイド(大量虐殺)、人道に対する罪で起訴された。

 4被告の中ではイエン・サリ被告が最高齢だった。また、イエン・チリト元社会問題相は昨年、重度の認知症のために公判に耐えられないと判断され、釈放を命じられている。

 残る2被告も高齢で、いずれも起訴事実を否認していることから、被告の存命中に判決が下されるかどうか懸念が高まっている。(c)AFP