【2月28日 AFP】イランの核開発問題をめぐり、カザフスタンのアルマトイ(Almaty)で2日間にわたり開催されていたイランと国連安保理常任理事国(UN Security Council)にドイツを加えた6か国の協議は27日、双方が3月と4月に新たな協議を行うことで合意した。イランは協議後、今回の合意は10年に及ぶ論争の転換点になり得ると称賛した。

 今回の協議では重要な打開の兆候はなかったが、新たな協議についての合意は前進の可能性を示唆している。6か国は、イランに対し非石油・金融部門関連の制裁を緩める代わりに、濃縮ウラン製造問題で同国の譲歩を求める提案をしている。

 米国の高官は、イランは「この提案に注意深く耳を傾けたようだ」と述べた。一方、イランの交渉責任者サイード・ジャリリ(Saeed Jalili)最高安全保障委員会事務局長は、6か国の姿勢を「前向き」で「現実的」と珍しく称賛した。

 イランのアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)外相はさらに踏み込んで、「この結果について非常に楽観的だ」とオーストリアのウィーン(Vienna)で語った。「事態は転換点にあり、アルマトイ協議は画期的な出来事と(みられるように)なるだろう」

 一方、イラン最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師の側近と見られているジャリリ氏はより慎重で、6か国の提案は「過去の彼らの発言と比べるとより現実的だ」「今回の協議は前向きな一歩であり、前向きで建設的なアプローチと相互的な措置をとることで完結できると考えている」とアルマトイで報道陣に述べた。

 関係者によると、次の協議は政府高官レベルで3月17、18両日にトルコのイスタンブール(Istanbul)で行われる予定。ジャリリ氏と6か国を代表する欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン(Catherine Ashton)外交安全保障上級代表の協議は4月5、6の両日、アルマトイで開かれる。(c)AFP/Dmitry ZAKS