【1月21日 AFP】ブルガリアで19日、党の大会で演説中だった少数民族のトルコ系政党「権利と自由運動(Movement for Rights and FreedomsMRF)」のアハメド・ドガン(Ahmed Dogan)党首に男がガス銃を突きつける事件が起きた。同党首は無事だった。演説はテレビ放映されていた。

 録画された映像には、党大会で所属議員らを前に演説をするドガン党首の前に、突然黒い服を着た男が壇上に現われ、頭にガス銃を突きつける様子が映っていた。党首は一瞬ひるんだように見えたが、引き金が引かれる前に男の腕を振り払った。男は再び銃口を党首の頭に突きつけたが、党首にはあたらなかったと同国のツベタン・ツベタノフ(Tsvetan Tsvetanov)内相は語っている。

 襲撃されたドガン党首と男はもつれ合ったまま床に倒れ、会場の議員らがすぐに駆けつけた。映像には駆けつけた議員らに蹴られる男の姿が映っていた。

 男について警察当局は、東部ブルガス(Burgas)出身のトルコ系(25)であることを明らかにしている。検察当局者は、秩序を乱した行為および殺害の脅迫で男を起訴する見通しを語った。

 警察の専門家が武器を調べたところ、使用されたのはガス銃で、至近距離で着弾したとしてもかすり傷を残す程度の威力しかなかった。銃には弾が3発込められていた。ただ、男はガス銃のほかにもナイフを2つ持っていたという。(c)AFP