【1月21日 AFP】中米で、主要作物のコーヒーに寄生する菌が広がり、作物の3分の1が被害を受けている。被害は数億ドル規模に拡大する恐れ。各国は菌の封じ込め対策に追われている。

 中米のコーヒー産業従事者は150万人。中米のアラビカ種コーヒー豆は世界で最高級の評価を受けている。

 だが、収穫の2か月前にあたる昨年9月、「ロヤ」と呼ばれる菌がまん延した。原因は、高温や干ばつなどの気候変動と予防策の欠如にあると、専門家や政府高官、業界筋は述べている。

「状況は極めて深刻だ。対策しなければますます悪化する」と、ニカラグアのコーヒー輸出組合のホセ・ブイトラゴ(Jose Buitrago)代表はAFPの取材に語った。

 この菌「Hemileia vastatrix」はコーヒーの葉に寄生し、その色をくすませて乾燥させる。この作用から、ロヤは別名「さび病」と呼ばれている。

 業界筋によると、ロヤはコーヒー作付面積95万8000ヘクタールの35%にまん延した。これは46キログラムのコーヒー豆の袋200万袋分の被害で、現在の価格1袋150ドルで換算すると、3億ドル(約270億円)の損失に相当する。

 中米の2011~12年度のコーヒー輸出量は1750万袋。売上額は36億ドル(約3200億円)に上り、コーヒー生産者は、今季のコーヒー売り上げはさらに好調になるだろうと期待していた。コーヒーの収穫は11月に始まり、2月に終わる。(c)AFP/Blanca Morel