【12月13日 AFP】12クラブW杯(2012 FIFA Club World Cup)は12日、5位決定戦が愛知県の豊田スタジアム(Toyota Stadium)で行われ、サンフレッチェ広島(Sanfrecce Hiroshima)が3-2で蔚山現代(Ulsan Hyuindai)を破った。

 12シーズンのJリーグ1部(J1)覇者の広島が、AFCチャンピオンズリーグ2012(AFC Champions League 2012)王者の蔚山を逆転で破り、5位に入った。

 両監督がアジアのサッカーを世界に発信する絶好の機会ととらえて臨んだこの試合で、両チームはともに活気あるプレーを見せた。

 前半に攻勢を見せた蔚山は序盤に2度ゴールに迫ると、迎えた前半17分、サンフレッチェのDF水本裕貴(Hiroki Mizumoto)にとっては忘れてしまいたいオウンゴールで1点を先行した。GKの西川周作(Shusaku Nishikawa)がボールを処理しようと跳び出したが、水本が不用意なバックパスを送ると、ボールは西川の脇をすり抜けて無人のゴールへ吸い込まれた。

 しかしながら、次の得点を決めたのは広島だった。同35分、広島の佐藤寿人(Hisato Sato)の至近距離からのヘディングシュートは蔚山のGKキム・ヨングァン(Young Kwang Kim)の見事なセーブに阻まれたものの、こぼれ球を山岸智(Satoru Yamagishi)がゴールに押し込んだ。

 前半を同点で終えて士気を上げたサンフレッチェが、ハーフタイム後に輝きを増した。広島は後半11分、今シーズンのJ1で得点王に輝いた佐藤がマークを外して前に出ると、クロスボールにわずかに触ってコースを変えGKキム・ヨングァンを破った。

 その後同点を目指して蔚山が前がかりになると、広島は手薄になった守備陣を突いて同27分に佐藤が目の前に送りだされたボールを難なく押し込み、今大会3得点目となるゴールを決めた。

 3万6000人収容ながら空席の目立つ豊田スタジアムで後のなくなったアジア王者の蔚山は、試合終了直前の後半ロスタイム5分に李鎔(Yong Lee、イ・ヨン)が1点を返すにとどまった。

 広島の森保一監督(Hajime Moriyasu)は試合後、「Jリーグのシーズンが終わったばかりで厳しいスケジュールだったが、選手たちは気力を振り絞って最後までプレーした。素晴らしいパフォーマンスだった。選手の多くは疲労困憊だったと思うが、頑張りをたたえたい」とコメントした。(c)AFP/Peter Hutchison