【12月6日 AFP】サファリ観光の人気国、アフリカのボツワナは11月29日、動物個体数の減少を理由に野生生物の商業ハンティングを禁止すると発表した。

 ボツワナの環境省が発表した声明では、2014年1月1日から「狩猟規制区や公共地区での野生生物の商業ハンティングを無期限停止する」とした政府決定が明らかとなり、野生動物のスポーツハンティングが、地元動物の保護政策にも観光産業の長期的な成長計画にも合致しなくなったとの考えが示された。

 ダイヤモンド産業で潤うボツワナでは、国内総生産(GDP)に占める観光産業の割合は12%に上る。ボツワナはゾウやライオン、バッファローなどの大型動物の個体数が多いことで知られ、現在は富裕層向けの観光地として名高いオカバンゴデルタ(Okavango Delta)とカラハリ(Kalahari)地域にある公園でのハンティングが認められている。

 政府は一部の動物種にみられる個体数の急激な減少に懸念を示しており、イアン・カーマ(Ian Khama)大統領も先月の一般教書演説でハンティングの禁止について触れていた。今後の狩猟許可については、特定の状況下および特定の動物を対照に個別に判断するという。

 2012年初め、スペイン国王フアン・カルロス1世(Juan Carlos I)がボツワナ北部のオカバンゴ地域でゾウのハンティングを行ったことが伝えられ、スペイン経済が苦境に立たされる中での旅行に、スペイン国内では国王に対する批判が強まった。(c)AFP