【8月29日 AFP】クック諸島は28日、太平洋諸島フォーラム(Pacific Islands ForumPIF)の開会式で、世界最大となる海中公園の設定を発表した。そのサイズはフランス国土の2倍近くになるという。

 クック諸島のヘンリー・プナ(Henry Puna)首相は、「海洋保護および管理の統合事業としては歴史上最大の面積になる」と語った。範囲は106万5000平方キロメートルに及ぶ。

 プナ首相は、海洋生態系が手つかずのままに残る最後の海の1つである太平洋を保護することは「わが国民だけでなく人類全体」に対するクック諸島の大きな貢献であると語った。

「観光や漁業、深海採掘などの経済的な関心と、海洋生物の多様性保護との均衡を保つことで、海中公園は持続可能な開発を推進するために必要な枠組みを提供するだろう」(ヘンリー・プナ首相)

 オーストラリアも6月、沿岸に点在する海中公園のネットワークを作ると発表した。その合計面積は、オーストラリアの領海3分1以上にあたる310万平方キロメートルに上るというが、この数字はあくまで合計である。一方、クック諸島が新たに設立する保護区は、同国南部の海洋全域を範囲に含め、単一の海中公園として世界最大の面積になる。

 15の島からなるクック諸島の国土面積は、合わせても米ワシントンD.C.(Washington D.C.)よりわずかに大きいほどだが、その海域には貴重なサンゴ礁や藻場、漁場などがある。(c)AFP