【3月19日 AFP】南太平洋の島国トンガの国王ジョージ・ツポウ5世(George Tupou V)が18日、死去した。63歳だった。トゥイバカノ(Tu'ivakano)首相が19日に国営ラジオを通じて発表した。

 ニュージーランドのジョン・キー(John Key)首相によると、ツポウ5世は滞在中だった香港(Hong Kong)の病院で18日夜に死去したという。キー首相は、国王の死去を悼み、ツポウ5世が貧しいトンガにもたらした数々の改革に敬意を表すると弔意を述べた。

 ツポウ5世の死因は明らかにされていないが、同国王はがん性腫瘍が発見され前年に米ロサンゼルス(Los Angeles)で片方の腎臓を摘出する手術を受けていた。

 2006年9月に父親のタウファハウ・ツポウ4世(Taufa’ahau Tupou IV)の死去を受けて国王の座についたツポウ5世は、絶対王政だったトンガの民主化を推進した。

 王位につく前のツポウ5世は風変わりな性格でも知られていた。世界各地を旅行して回ったほか、ヘルメット帽に金色の編み飾りのついた上着姿という植民地時代風のいでたちなど、制服好きでも有名だった。(c)AFP