【2月24日 AFP】カメルーン北部のブバ・ンジダ国立公園(Bouba Ndjida National Park)で、過去2か月足らずで500頭近いゾウが密猟者に殺されたと、公園関係者が23日、AFPに明らかにした。

 同国立公園のマシュー・フォメタ(Mathieu Fometa)氏によると、これまでに公園内で確認されたゾウの死骸数は458頭。ただ、チャドとの国境に近い同公園は面積が22万ヘクタールもあり、全域での確認は困難なため、実際の数はこれを上回っている可能性があるとフォメタ氏は指摘。「殺されたゾウの数は、現在までに推定で480頭に上るだろう」と話した。

 国際動物福祉基金(International Fund for Animal WelfareIFAW)のウェブサイトによると、密猟者は武装したスーダン人とチャド人数十人で、徒党を組んで活動しており、公園内を馬で移動しているという。同公園では直近の3日間で少なくとも20頭が殺されたことを確認していることから、フォメタ氏は「彼ら(密猟グループ)は、まだ公園内にとどまっている」とみている。

 こうした状況にありながら、カメルーン政府は何ら明確な対抗策を打ち出していない。

 IFAWによると、この密猟団は昨年11月中旬に中央アフリカ共和国で密猟を開始。12月にはチャドで密猟を行い、1月にカメルーンに移動してきた。

 ブバ・ンジダ国立公園のほかにも、カメルーン各地の野生動物公園では数か月前から象牙目当てのゾウの密猟が増加傾向にあるという。(c)AFP