【10月31日 AFP】キルギスの中央選挙管理委員会は31日、30日に行われた大統領選挙で、アルマズベク・アタムバエフ(Almazbek Atambayev)首相(55)が得票率63%で当選したと発表した。

 中央選挙管理委員会の委員長は記者団に対し、「決選投票は行われない」と語った。一方、主要な大統領候補の2人はただちに大統領選に不正があったと非難し、抗議デモが起きる可能性を示唆した。

■キルギス国内の融和が課題

 アタムバエフ氏は現職のロザ・オトゥンバエワ(Roza Otunbayeva)大統領の盟友。オトゥンバエワ氏は、当時のクルマンベク・バキエフ(Kurmanbek Bakiyev)大統領政権を崩壊させた2010年の民衆蜂起後に権力を掌握した人物だ。

 キルギスは2010年の1年足らずのうちに、バキエフ大統領を失脚させた流血の革命と、約470人の犠牲を出した民族衝突を経験している。アタムバエフ氏は大統領就任後、国内の融和に取り組むことになる。

 アフガニスタンにおける軍事作戦の物資輸送路にキルギスを利用している西側諸国はキルギスの将来を注視している。1つの国に米露両国の軍事基地があるのは世界でもキルギスだけ。またキルギスは、有力者が長期にわたって権力を独占することが多い中央アジアの旧ソ連圏の中で唯一、大統領選で候補者同士が激しい選挙戦を展開する国でもある。(c)AFP/Aleks Tapinsh and Tolkun Namatbayeva