【9月16日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が8月に公開した米外交公電に名前が掲載されていたエチオピア人ジャーナリストが、当局から尋問され、国外に脱出したと、米民間団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)」が15日明らかにした。

 ジャーナリストのアルガウ・アシネ(Argaw Ashine)氏は、ウィキリークスが公開した2009年の米外交公電に名前が掲載されていた。前週、警察と政府当局の尋問を受け、現在廃刊状態にある独立系新聞Addis Negerを「黙らせる」政府計画をめぐる米当局者に対する発言について、事情を聴かれたという。

 アシネ氏は前週末中にエチオピアを出国。現在の居場所は、安全のため公表していない。

 CPJは、ウィキリークスが公開した公電が原因でジャーナリストが直接的な影響を受けたことが確認された初めての例だとして、個人名を削除せずに大量の公電を公開したウィキリークスを非難した。

 一方、エチオピア政府報道官はAFPの取材に対し、アシネ氏を尋問した当局者などはおらず、当局がジャーナリストに情報源を明かすよう要求することも同国の法律では認められていないと述べ、CPJの声明を否定。アシネ氏が帰国しても何の問題もないと述べている。(c)AFP