【8月30日 AFP】イスラム教のラマダン(断食月)明けの祭り「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」の初日を迎えた30日、シリアの複数の都市でモスクから出てきたデモ隊を解散させようと治安部隊が発砲し、合わせて7人が死亡した。

 活動家グループLocal Coordination Committeesは声明で、「イード・アル・フィトルの初日に7人が殺害された。ダルアー(Daraa)のアルハラ(Al-Harra)で4人、インヒル(Inkhil)で2人が死亡し、(中部)ホムス(Homs)で1人が死亡した」と発表した。シリア南部のダルアーは、同国の独裁的なバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領に対する民主化要求デモが3月半ばに始まった地域だ。

 同委員会によると、イード・アル・フィトルの初日に行われる早朝の礼拝後、退陣を求める抗議行動が起きた。ダルアーのオマリ(Al-Omari)モスクから続々と出てきた礼拝者たちが大規模なデモ隊となって市内の墓地へ向かって行進したという。イスラム教徒は毎年、イード・アル・フィトルの初日に墓地を訪れる。

 また、ナワ(Nawa)やダエル(Dael)など、ダルアーのその他の地区でもデモがあったという。フェイスブック(Facebook)上のグループ「シリア革命2011(The Syrian Revolution 2011)」は、イード・アル・フィトルの礼拝後のデモを呼びかけていた。

 一方、ロンドン(London)に本部を置く人権団体「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は、「アルハラでの(最初の)イード・アル・フィトルの礼拝後に、巨大なデモを解散させようとして治安部隊が発砲し、3人が死亡、9人が負傷した」と発表した。同団体によると、ラマダン最終日の29日にも、シリア治安部隊がシリア各地で一斉取り締まりを行い、17人が死亡、数十人が負傷していた。

 国連(UN)の統計によると、民主主化要求デモの始まった3月半ば以降、シリアでは2200人以上が、弾圧により死亡している。(c)AFP

【参考】Local Coordination Committeesのサイト(英語、アラビア語)