【8月24日 AFP】アフリカ南部マラウイで、魔女と名指しされ差別を受けている人々のために活動する人権団体が20日、「魔術」に関連した子ども、女性、年配者への暴力の実態調査を開始したと発表した。

Association for Secular Humanism(世俗的ヒューマニズム協会、ASH)」が行う調査には、ノルウェー大使館が7万1000ドル(約545万円)の資金援助を行った。同団体によると、魔女に関連した暴力は同国で深刻な問題となっており、窮地に立たされた人々の人権は危機に直面している。同国ではこれまで、この種の暴力に焦点を当てた調査が皆無で、対処の仕方も検討されてこなかった。

 調査は、同国28地区のうち魔女がらみの暴力事件が発生した8地区を対象に、来月まで行われる。暴力への最善の対処法について勧告を行う予定で、被害者の人権を守るための新たな法律も提唱していくという。

 また、魔女に関連して、政府系組織「Law Commission(法律委員会)」は、英国植民地時代の1911年に制定された法律の見直しを進めている。この法律は誰かを魔女だと決めつける行為、または誰かが魔術を行ったと決めつける行為を違法だとしているものの、実態としては訴えられた方が監獄行きとなったり、私刑や暴行、拷問を受けるケースも多いという。(c)AFP